いえ、外すわけにいかないポイントがあります。
今日からシリーズで、いくつかのポイントを紹介していきます。
第1回目の今日は『窓周りの防水』。
もちろん輸入住宅に限った事ではありませんが、外壁の素材や
質感にこだわって選んだ材料ほど、工業化された既製品から
遠ざかっていくもので、それは図らずも既成の防水性能からも
離れるという結果になっています。
工業化製品には、防水用のジョイント材や、見切り材など、
確かにキチンと納まる部品が揃えてあったり、マニュアル通りに
組んで行けば漏水しない、という加工がしてあったり、
現場で防水に細心の注意をはらわなければならないような事は
ありません。
ただ、残念ながら素材としては味気ない物が多いのも確かです。
こだわった外壁材などを使って造られるケースが多い「輸入住宅」
では、現場の手製で防水を施すウェイトが多くなり、昔も今も
最後の仕上げで、いわゆる『コーキング』を使うケースが殆どです。
ただ、『コーキング』は確実に劣化します。

[築後14年]
方角や環境によって違いますが、経験的に言うと、約10年で
硬化が劣化に変わって来ます。状態にもよりますが、その時点では
まだ補修でも良いでしょう。
しかし、この写真くらいになると、打ち替えが必要になります。

[築後17年]
こちらは、すぐにでも打ち替えた方が良い例です。
ひと昔前のコーキング材の品質の事と、向いている方角の条件の
悪さが、ここまでの劣化を呼んだようです。
『コーキング』は、防水上あくまで2次的な要素です。
窓を取り付ける際、あるいは外壁材を施す前に、防水テープなどで
十分な防水がしてある事が前提の、“劣化環境に在る”防水アイテムです。
ただ、建物完成後に、確実に防水している事が確認出来るのは、
この『コーキング処理』だけですので、2重の防水の意味で
メンテナンスを継続していきたいものです。

【打ち替え中】
次回は、ドアノブの事に触れます。
福田 聡