2011-03-25 (8 years ago)
「どうして最初からつけなかったの?」
15年前の営業の時に、それをつけなかった
特別な理由はないと思いますが、
そう仰る奥様の言葉に「もっともだな」と
反省しきりです。
シンメトリーでシンプルなデザインながら
どこか風格が漂うのは、この玄関廻りの
造りに起因するところが大きいと思います。
そのポーチ階段に手摺を付ける事になりました。
もちろん、手摺としての機能が必要だからの
事なのですが、気に入って頂いている雰囲気を
崩さない品物を考えたら
『アイアン』の選択となりました。
柱を立てる穴をコア抜きします。
まあ、見事に開くもんです。
予め試して決めておいた高さに調整して
バラスを混ぜたモルタルで足元を固めます。
とても素敵に出来ました。
アラベスクの中に黄色、赤、青のガラス玉を
組み込んでいます。
配色はご家族皆様で決められました。
既製品の手摺と比べて、価格もグッと張る注文品の
アイアン製手摺ですが、お気に入りの玄関廻りが
味気ないアルミ製の手摺で台無しになる事は
どうしても許せませんでした。
安全面で劣るわけでもなく
美しさを毎日味わい楽しめるこの手摺には
金額以上の精神面の付加価値が
たくさんつまっています。
「どうして最初からつけなかったの?」
笑いながら新築当時の事を仰る言葉が
有り難いような、有り難くないような・・。
綺麗になったから許して下さいね。
福田 聡
2011-03-24 (8 years ago)
塗装屋さんには残念な結果でした。
施設の『大正浪漫化』リフォーム工事で
造作材の塗装色に合わせて、既存の腰パネルも
塗装します。
当初、刷毛塗りを試してみたのですが
すでにクリアラッカーが掛かった仕上げなので
塗料の吸い込み具合と弾き具合でムラになってしまい
“吹き付け”する事にしました。
病院施設の中なので、吹き付け時に使うエンジン式の
コンプレッサーの音の事を気遣い、こんな機械を
わざわざ購入して使ってくれました。
掃除機の逆のような原理で吹き付けます。
電気式なので大きな音が出ません。
塗装屋さん、
気を遣ってくれてありがとう(涙)
『吹き付け』が始まりました。
「・・・。」
吹いては拭き取りを3回程繰り返した後
「コンプレッサーを取って来ます」
そう言い残して塗装屋さんは消えました。
ちょっと現場を離れていたら
「ドドドド・・」
エンジン型のコンプレッサーが動く音がします。
「やっぱいコンプレッサーですな!」
ガンガン吹き付けていました。
お陰で、肌理細やかでムラの無い素晴らしい
仕上がりになりました。
幸い、音に対するクレームも無く万々歳です。
わざわざ買ったマシンは
「絶対どこかで使います!」
元気に言い放っていました。
お蔵入りかな・・。
福田 聡
2011-03-23 (8 years ago)
「家の断熱は開口部から・・。」
そう言われ出して久しいですが、
既存の窓の内側にもうひとつ窓を着ける
「二重サッシ」の方法が、最近うけている
ようです。
20年近く前に建築された三井ホーム社の建物で
主要な開口部の断熱のご相談を頂きました。
取った方法は“ガラスの交換”。
サッシフレームはそのまま利用して、ガラスだけ
空気層を挟めた『複層ガラス』に交換しました。
三井ホーム社で建築された建物ですが、
幸い使用されているサッシのメーカーが
『三協(現:三協立山アルミ)』と分かったので
メーカーに相談したところ、ペアガラスへの
交換が可能との事。
コスト、工事時間などの面からも
“交換”を選択しました。
ガラスが2枚になった分、多少開閉時に重さを
感じるようになりましたが、装いは全く
変わりません。
冒頭に述べた『二重サッシ』の効果の程は
分かりませんが、窓自体を2台着ける分
当然それなりの効果はあるでしょう。
ただ、厳密に断熱を考える場合
『静止空気』の断熱性を利用したペアガラスの
性能は理論的に非常に優れており、その理論上、
既存の窓の気密性が高くないと、その内側に
もう1枚窓をつけたって、効果は掛かる費用分は
無いような気がしています。
輸入住宅を長年やって来て、随分断熱気密について
あれこれやって来ただけに、単にシングルガラスの
サッシを内側に取り付けるだけでOKというのは
性能上も意匠上も、何だか馴染めません。
あくまで個人的な見解ですが・・。
福田 聡