2010-11-08 (14 years ago)
「ごそっ」と取り替えです。
度々修繕している木製の『ケースメント』サッシの
修繕依頼がありました。
状態はかなり悪く、外側にあたるアルミクラッドも
落ちてしまっているような状況です。
この場合、いつもやっている木枠の交換だけでは
修繕が出来ませんので、障子を交換する事を
検討しました。
しかし調べてみると、残念ながらこのサッシの
メーカーは現存する会社ではなく、アメリカでは
よくある“合併吸収”されている事が分かりました。
その吸収した会社で製作する事まで考えましたが
コストが現実的でなく、断念しました。
残った方法は、枠まで含めた窓本体ごとの交換。
防水に関してリスクを伴いますが、それは処理上の
問題なので、万全を期すつもりで交換に踏み切り
ました。
内外ともに、化粧の額縁を外します。
外側は、外装材がかぶっている窓のフィンを露出
させないと外す事が出来ません。
フィンの上にかぶるサイディングをフィンの幅分
切り取ります。
フィンを固定しているビスを外していけば
窓本体が意外と簡単に外れます。
入れ替える窓は国内で手配できる樹脂製の
サッシにしました。
既存の窓を外した後にきれいに収める寸法で
製作したものです。
窓台に防水シートを施し、新しい窓を収めます。
フィンの廻りをブチル系の防水テープでガチガチに
固めてます。仮に水が浸入したとしても大丈夫。
外していた額縁の下にも十分なコーキングを施し
改めて取り付けた上からも最初の防波堤になる
コーキングを念入りに打ちます。
仕上がりました。
2重に施したコーキングの内側にブチルテープで
固めた窓が収まっています。
枠ごと外したリスクは「これでもか」という位の
施しをしておかないと、夢に出て来る事になります。
部屋内側の枠と額縁も綺麗に収まり
工事完了。
久しぶりに開閉できる窓になりました。
同じお家でぼろぼろになった勝手口も
交換しました。
それはまた明日・・。
福田 聡
2010-11-06 (14 years ago)
とてもいい風合いなのですが
経年による痛みというか、劣化が激しいですね。
はっきりした石の種類は分かりません。
恐らく「粘板岩」や「玄昌石」といった
スレート系の石だと思います。
いくつもの層で構成されているこの石を加工した
タイルは、施工時に下地の土間に接着させても
その層が剥離する事で、タイル自体が
浮いてしまう箇所が出て来ます。
浮いている箇所を外していくと、綺麗に取れる物も
あれば、層が崩壊してバラバラになる物も・・。
上手に貼り直せる所は貼り直し、
無理な所は、新しいタイルに貼り替えです。
とは言っても、当時と同じ品物は今はもう
ありませんので、良く似た石を探しました。
同じ種類の石でしょう。
目地材が外れている所には、改めて目地材を
入れていきます。
目地材をキチンと入れる事で、層の崩壊を防ぐ
役割りにもなります。
とても綺麗になりました。
貼り直した翌日の作業ですが、仕上げに石用の
ワックスを塗りました。
ワックスで石を被服する事で艶が出て綺麗になり
層の剥離を抑える事にもなります。

洗う前・・

洗った後・・

ワックスを掛けた後・・
まあ、洗う前と比べたら
踊り出したくなる程綺麗になりましたね。
この後、定期的に水洗いして
ワックスを掛ける事を続けて行けば
ワックスが厚くなって、剥離も起こりにくく
なりますし、掃除もしやすくなるでしょう。
年に一回。
頑張りましょう!
福田 聡
2010-11-05 (14 years ago)
吐水口からポタポタと流れ出る水が
止まらない・・。
『デルタ社』の洗面所用水栓金具にも
これまでご紹介して来た『ニューポートブラス社』の
水栓と同じような現象が起りました。
原因はやっぱり『バルブ』です。
レバーをほぼ90度回す事で水やお湯が出る
バルブ式の水栓の場合、バルブ自体消耗品と
考えた方が良く、今までご紹介して来た品は
開閉部のセラミックの磨耗が原因の水漏れでした。
バルブを取り出して見ると、バネの力でゴムを
上下させて水を出したり止めたりする方式でした。
どうやらこのゴムが劣化して
水が漏れているようです。
お客さんが、以前お湯の方で同じ事があった時
こちらのお家を建てた「アーサーホーム」さんに
修理を依頼された時の余りの部品をお持ちでした。
お陰で今回は取り替えの作業だけで済み
修理自体はあっという間の作業で終わりです。
たかがこれだけの事で、苦しんで来たストレスから
開放されました。
されど『ゴムパッキン』。
水栓金具にとったら命の部品です。
先日交換して喜んで頂いた
窓の『バランサー』に続き
感動して頂いたお仕事でした。
もちろんこの部品をお客さんが
お手持ちでなかったとしても
修理可能でした。
福田 聡