
躯体をはね出してコラムで支えたバルコニーが
何やら色の着いた水を垂らしています。

上に乗っかっているのは日本のメーカーの
手摺システム。
親柱、子柱、土台やレール、あらゆる所に金具が
使われて、施工後の強さは輸入の品に比べると
群を抜いています。
(もちろん外国製も安全基準上はとても強いですが
あくまで「比べて」という話です)


残念ながら、経年で劣化したコーキングの隙間から
入った雨水で、その金具がひどく錆びてしまって
います。

こういう所からも水が入っています。
マニュアルではこの子柱の下にもコーキングを
挟み込むようになっていますが・・。


入った水は、手摺のシステムの中を素通りし
乗っかっているバルコニーの躯体に染み入ります。
FRPでキチンと包まれていれば、最悪でも躯体への
水の浸入は防げるはずですが、残念な事に
そのFRPがあまり役目を成していない状態があり
最初の写真のように、錆を含んだ色の着いた水が
流れ落ちてくる結果になりました。


とにかく、これ以上の水の浸入を止める施しをしました。


防水のブチルテープをしっかり被せた後
板金でカバーします。
なぜ当初からここに板金が入っていないのか・・。
確かにボルトが下から通るシステムではありますが
木製の躯体の事を考えたら、過剰な程の防水を
しておいても良かったのではないかと考えます。



最初の砦の『コーキング』を施して完了ですが、
これが切れて水が入っても、躯体は大丈夫・・
というメカニズムにしておかなければなりません。
これで新たな雨水の供給は止まります。
ひと安心です。
福田 聡