いわゆる“フローリング材”に、『無垢材』を使用する事が、
今でこそ当たり前のように言われていますが、
この無垢材も、“輸入住宅”が近代日本の住宅文化に与えた
大きな影響だと思っています。
『無垢』の床材は、昔で言う『一枚物』なわけですが、
様々な良い面と、合板のフロア材には無いデリケートな面の
両面を備えています。
良い面は、生きている“木”ならではの特性。
「保湿性」「保温性」などは、住まい心地に直結する性能です。
デリケートな面は、これも生きている木だからこそ持ち合わせる
「水」「水気」に対する弱さ。
この水気が、膨れや変色、表面の剥離などの現象につながります。

今回請け賜ったのは、表面材の剥離の補修でした。
20年前に建築されたこの家のウッドフロアーは、
いわゆる『オーク材』で、19㎜の厚みがあります。
やはり水気の影響でしょう、ところどころの表面
仕上げが剥がれていました。

全体研磨後、着色、仕上げもお奨めしましたが、
今回は部分補修で留める事になりました。
『無垢』の床材は、デリケートではありますが、
極端な事を言うと、「削れる」わけですから、長い目で見ると
メンテナンス性が高いのかも知れません。
福田 聡