Deprecated: Assigning the return value of new by reference is deprecated in /home/users/0/chicappa.jp-d-mainte/web/blog/class/View.php on line 25

Deprecated: Assigning the return value of new by reference is deprecated in /home/users/0/chicappa.jp-d-mainte/web/blog/class/View.php on line 30

Warning: Cannot modify header information - headers already sent by (output started at /home/users/0/chicappa.jp-d-mainte/web/blog/class/View.php:25) in /home/users/0/chicappa.jp-d-mainte/web/blog/class/View.php on line 81
福田聡の輸入住宅修繕日記::『プロメテウスの罠』 転載

『プロメテウスの罠』 転載

朝日新聞の3ページに
毎日『プロメテウスの罠』というドキュメント文が
時折衝撃的な記事を掲載します。


福島原発事故を様々な視点から検証した
ルポルタージュです。


今日は「遅れた警報」シリーズの14回目。

『10日間は生きていた』という題名。


あまりにも衝撃的だったので
そのまま転載します。



以下記事より。


 大震災から1週間後の昨年3月18日、
福島市の石田賢次(45)はいらいらしていた。

 父(75)と母(72)は、原発から4キロの双葉町に2人で住む。
駆けつけようにも震災翌日の早朝から原発10キロ圏内に
避難指示が出ていて入れない。地震後、ずっと連絡が
とれない状態が続いているのだ。

 避難所10ヶ所近くに問い合わせてみたがいない。
地元のラジオ局で呼びかけてもらったが反応はない。
 俺が助けに行くのを待っているに違いない。
「人の命にかかわる」といえば入れるのではないか。

 だが、周囲からは「小さい子どもがいるのに、お前に
何かあったらどうするんだ」と止められた。

 父、次雄は建具職人。シルバー人材センターで障子紙張りに
定評があった。職人気質で無口。酒好きで酒が入ると陽気になる。

 母のアイ子は近所づきあいが好き。自宅の畑でカボチャや
トウモロコシを作っており、近所の人に配ったりしていた

 翌年は金婚式だ。孫も集まって盛大にやろうと姉たちと
話していた。どこかに泊まるのもいいな、と。

 自衛隊に頼もう。じりじりと休日明けを待ち、22日に
役場に電話した。「うちの親を見に行ってもらえるよう、
自衛隊に頼んでもらえないでしょうか」

翌23日、役場から電話があった。
「2人の遺体がありました」

 自宅は津波に襲われていた。現場は津波でぬかるみ、
橋が落ちてすぐには収容できないという。

4月4日夜、双葉署から「遺体を収容しました。確認して
引き取っていただけますか」と電話があった。

翌5日。南相馬市の高校の体育館で、石田は姉(49)いっしょに、
二つの棺と向き合った。ベニヤ板のような薄い木の棺。
開けると、グレーの遺体収容袋があった。

 チャックを下ろした。黒く、やつれ、変わり果てた父の
姿があった。口元が乾いて、半開きで、水を飲みたそうだった。
目を見開いていた。苦しそうな表情。何かをつかもうとして
いたかのように、右手は少し浮いていた。

 父は2階の布団の中で死んでいたと聞かされた。
津波は2階まで上がっていなかった。

 検案書には「衰弱死」とあった。
死亡推定日は3月21日。10日間は生きていたということだ。

声が出なかった。姉は泣き崩れた。←



以上、本文のまま転載。




避難指示を出した行政。

事故を起こした東電。

災害をもたらした自然。

助けに行かなかった自分。



誰を恨めば、絶対に消し去る事の出来ない
後悔を和らげる事が出来るのか・・。

結局、自分を責めるしかないのでしょう。



想像を遥かに絶する悲劇が
起こっています。



福田 聡
Calendar
<< April 2024 >>
SunMonTueWedThuFriSat
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930
search this site.
tags
archives
link